猫を苦しめるダニ3選について
外出している猫だけでなく、室内を拠点としている猫にまで、ダニの魔の手は忍び寄っています。
そこで今回は、猫を苦しめるダニについてご紹介します。
1. 疥癬(かいせん)
【病態】
疥癬とは、猫ヒゼンダニ(ダニの一種)が寄生する事で起こる病気です。
【症状】
初期症状は、顔面や耳介に脱毛や赤い発疹がみられるのと同時に、皮膚が肥厚し、シワがみられる様になります。
また、フケやカサブタが目立つ様になり、一見、老齢の猫に似た姿になります。
猫ヒゼンダニは時間と共に、体の至る箇所に寄生を開始し、顔面や耳介だけでなく、背中、手足、腹部等にも、脱毛や皮膚の肥厚が見られる事になります。
また、猫によって、猫ヒゼンダニによる痒みは異なり、血が出る程、かきむしる猫もいれば、あまり気にしない猫もいまる為、個体差が如実に現れます。
【治療方法】
主な治療方法は、ダニ用の駆虫薬です。
多頭飼いをしている場合や、他の動物(犬等)を飼育している場合は、再発防止の為、他の動物も一緒に治療を行います。
また、居住区の消毒も必要です。
猫用のベッドやおもちゃ等、猫が使用している衣類は、全て消毒が必要です。
猫ヒゼンダニに限らず、全てのダニを駆除しましょう。
【予防対策・感染ルート】
主な感染ルートは、飼い主が疥癬に寄生された動物に触れる事です。
猫を完全室内飼いにしており、飼い主が他の動物に一切触れなければ、現代において、疥癬になる事は滅多にありません。
また、感染が気になる場合は、定期的なダニの予防薬を投与する等し、ダニ対策をする事が肝心です。
2. 耳ダニ感染症
【病態】
耳ダニ感染症とは、耳ヒゼンダニ(ダニの一種)が猫の外耳道に寄生する病気です。
耳ヒゼンダニは、0.3~0.4㎝程の白いダニです。
猫の耳の中で繁殖を繰り返し、接触により感染をします。
母猫が耳ダニ感染症の場合、その子猫に、耳ダニ感染症が感染する確率はかなり高いです。
【症状】
耳ヒゼンダニに感染すると、外耳炎(※)となり、外耳道が赤くなった後、黒いねっとりとした耳垢がでます。
耳ヒゼンダニが感染すると、激しい痒みに襲われる為、『耳を擦り付ける』『頭を振る』等の行動が頻繁になります。
また、強い痒みにより、耳を仕切りにかく為、耳に傷を作ってしまう事もあります。
(※)外耳炎…外耳炎とは、外耳道に炎症が起こる病気です。
外耳道や外耳道の周辺が腫れる、痒い、多量の耳垢等の症状があります。
【治療方法】
主な治療方法は、ダニ用の駆虫薬です。
多頭飼いをしている場合や、他の動物(犬等)を飼育している場合は、再発防止と耳ヒゼンダニの根絶の為、他の動物も一緒に治療を行います。
駆虫薬以外にも、外耳炎の治療の為、『外耳道の洗浄』『抗生物質が含まれた点耳薬の投与』等が行われます。
外耳の治療は、耳ダニ感染症を発症している動物に限り行い、同居の動物には行わない事もあります。
また、居住区の消毒も必要です。
猫用のベッドやおもちゃ等、猫が使用している衣類は、全て消毒が必要です。
耳ヒゼンダニ症にかかった場合は、耳ヒゼンダニに限らず、全てのダニを駆除しましょう。
【予防対策・感染ルート】
主な感染ルートは、耳ヒゼンダニに寄生されている動物と接触する事です。
飼い主が野良猫に触れ、その手を消毒・洗浄する事なく飼い猫に触れる事で感染するケースが多いです。
その為、最も有効な予防対策は、耳ヒゼンダニに感染している動物との接触を避け、完全室内飼いをする事です。
また、外出をしている猫は、定期的にダニの予防薬を投与する事をオススメします。
3. ツメダニ症
【病態】
ツメダニ症とは、ツメダニ(ダニの一種)寄生する事で発症します。
ツメダニは、0.3~0.5㎜程度の小さなダニで、肉眼で見つけるのは難しいダニです。
【症状】
ツメダニに寄生をされると、寄生部位(頭部や背中に多い)に大量のフケが出ます。
同時に、『脱毛』『湿疹』『カサブタ』等の症状が見られます。
猫の場合、あまり痒みを感じませんが、人間が寄生された場合、強い痒みを感じます。
【治療方法】
主な治療方法は、ダニ用の駆虫薬です。
多頭飼いをしている場合や、他の動物(犬等)を飼育している場合は、集団感染している確率がかなり高い為、再発防止とツメダニの根絶を含め、他の動物も一緒に治療を行います。
また、居住区の消毒・清掃も徹底して行いましょう。
ツメダニが猫用のベッドやおもちゃ等の衣類に潜んでいる可能性があります。
【予防対策・感染ルート】
主な感染ルートは、ツメダニに寄生されている動物と直接的に接触する事と、ハエやノミ等の大型外部寄生虫の体、靴等から間接的に接触です。
避けられない場所から感染する事がある為、日頃から猫の皮膚を観察しておきましょう。
異変を感じたら、獣医師に診せる等し、対策を講じましょう。
猫を苦しめるダニ3選について紹介!まとめ
飼い猫がダニに感染するルートは、飼い主か野良猫です。
野良猫に触る等、ダニに感染する心当たりがある方は、飼い猫の為に、控えてみては如何でしょうか。
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