犬を苦しめるダニ2選について
犬は散歩中だけでなく、飼い主が持ち運んだ靴等から、ダニに寄生される事があります。
そこで今回は、犬を苦しめるダニについてご紹介します。
1. ニキビダニ症
【病態】
ニキビダニ症とは、ネコニキビダニ(ダニの一種)が寄生する事で起こる病気です。
ニキビダニは、2~3㎝の細長いダニで、毛穴の中に寄生し、皮膚炎を起します。
【症状】
頭、顔面周辺、首等に、皮膚炎が起こり、稀なケースでは、足、お腹、背中等にも皮膚炎が見られます。
ニキビダニ症は、脱毛とフケがみられた後、赤くただれ、カサブタができる事もあります。
あまり痒くはならないものの、ネコニキビダニが耳に寄生をすると、外耳炎(※1)を発症する事もあります。
(※1)外耳炎…外耳炎とは、外耳道に炎症が起こる病気です。
外耳道や外耳道の周辺が『腫れる』『痒い』『多量の耳垢』等の症状があります。
【治療方法】
主な治療方法は、ダニ用の駆虫薬か薬浴です。
また、外耳炎を併発した場合、抗生物質を含む、点耳薬を投与する事もあります。
【予防対策・感染ルート】
ニキビダニに対する、特別な予防対策はありません。
ニキビダニは、猫の体に常在している寄生虫です。
その為、猫はニキビダニが原因で発症する事はほぼありません。
しかし、猫と同居している犬の場合には、発症が見られる事もあります。
犬に限らず、病気やストレス等で、ニキビダニ症を発症する事があります。
住環境は常に清潔にしておき、毎日、健やかに生活をさせる事で、ニキビダニ症を防ぐ事はできます。
2. マダニ症
【病態】
マダニ症とは、マダニ(ダニの一種)に噛まれる事で発症する病気です。
マダニは、屋外や野山に生息している大型のダニです。
吸血後は、1円玉程の大きさにまで膨れ上がる為、肉眼でもしっかりと確認する事ができます。
「イボかな?」と思ったら「ダニだった!」というケースは少なくありません。
【症状】
マダニに噛まれると、
- 痒み
- 痛み
- 貧血
- 歩行困難
等が、みられます。
そして、症状が悪化すると、
- ダニ麻痺症(※2)
- 野兎病(※3)
等が、みられます。
(※2)ダニ麻痺症…メスダニの唾液に含まれる神経毒により起こる麻痺です。
脳神経、交感神経系、呼吸筋に障害を起こす可能性もあります。
(※3)野兎病(やとびょう)…野兎またはマダニから感染する事があり、東北全域と関東の一部で多く見られます。
『頭痛』『吐き気』『筋肉の痛み』等、インフルエンザに似た症状の後、皮膚の膿瘍、リンパ節の腫脹になります。
【治療方法】
数匹のマダニに感染された場合は、ピンセットで皮膚を刺さったマダニを引き抜きます。
マダニの体をつぶしてしまうと、マダニの口から犬の体内へ病原菌が入り込む為、十分に注意をしましょう。
また、火を近付けると、マダニは皮膚へ激しく食い込む為、炙り殺そうとする事は控えましょう。
万が一、マダニの口の先端が、犬の皮膚内に残ってしまった場合は、早急に獣医師に相談をしましょう。
大量のマダニに寄生された場合は、殺虫効果のある点下薬やスプレーを用いて、マダニの除去を行います。
また、大量のマダニに寄生された場合、体内へ病原菌が入り込んでいる可能性がある為、抗生物質を投与する事があります。
【予防対策・感染ルート】
主な感染ルートは、草むらへの侵入です。
都会であっても、公園や街路樹の影にマダニが潜んでいる事はあります。
また、マダニの思な活動時期は春から初夏にかけてですが、近年では、冬に感染した事例も出ている為、1年中、気を付けるべき相手ではあります。
散歩から帰った後は、コーミングをし、散歩の際に付着した埃やマダニ等を落としましょう。
マダニは大きなダニの為、ノミ・ダニ取り様のコームを使用すれば、手入れがし易いです。
犬を苦しめるダニ2選について紹介!まとめ
犬がダニに感染するのは散歩中が最も多いと言われています。
いかに美しく、清潔な場所であろうと、全く虫がいない場所はありません。
ダニに対抗する為には、日頃から住環境を清潔する事が大切です。
関連記事:犬と楽しい旅行をするための8つのルール
関連記事:犬にノミが寄生してから駆除するまでの方法
スポンサード リンク